世界最古の電子楽器テルミンを趣味にするメリット
今では珍しくもなんともない電子楽器ですが、シンセサイザーが使われ始めた頃は新鮮な音色に皆驚いたものです。
電子楽器が最初に発明されたのは、ロシア革命の後、1920年のことです。
テルミンを発明したのはロシアの物理学者レフ・テルミン博士(1896~1993)で、彼の名前にちなんで楽器は「テルミン(Termen)」と命名されました。
テルミンの最大の特徴は、楽器に直接触らずに演奏するということにあります。
一見すると、黒い箱に銀色の棒のようなものがついているのがテルミンで、手を近づけて静電気を変化させることによって音が出ます。
また、演奏者の手だけではなくて、演奏者の身につけているものや体の動かし方によってもテルミンの音色に影響が出てくるので、演奏している間は不思議な感覚に浸ることができます。
テルミンの始め方
テルミン奏者というのは非常に少ないので、ピアノやバイオリンのように気軽に習うわけにはいきません。
とりあえずはテルミンがどんなものかを知りたいという人は、「テルミン・ミュージアム」を訪問してみるのもいいアイディアです。
テルミン・ミュージアムは逗子市久木にオープンしたばかりのミュージアムで、テルミンを見学するには格好の場所です。
ミュージアム内には、テルミン博士自身が設計した最古の流通モデル「RCAテルミン」も収蔵されています。
RCAテルミンは1929年から30年にかけて500台製造され、現在では132台しか保存されていない貴重なものです。
現在、日本にはRCAテルミンが2台しかありません。
テルミンは一般的な楽器ではなく、教えている教室もほとんどありません。
どうしてもテルミンの演奏を学んでみたいと言うのであれば、「テルミン大学」に問い合わせしてみるのが一番です。
テルミン大学は東京都内を中心に教室を展開しており、全5回のクラスでテルミンの基本的な演奏をマスターすることができるようになっています。
テルミンを持っていなくても教室で貸し出しをしてくれるので、とりあえずどんなものかやってみたいという人にもおすすめです。
ちなみに、テルミン大学ではテルミン教室の他に「マトリョミン教室」もう開催しています。
マトリョミンというのはロシアの民芸品であるマトリョーシカ人形の中に機能を収めた楽器のことです。
テルミンの楽しみ方
特にバイオリンやピアノの知識がなくても演奏できるのが、テルミンの最大の魅力ということができるでしょう。
これまで楽器を全く演奏したことがないけれど、ぜひ一度挑戦してみたいという人は、テルミンの演奏にチャレンジしてみて、奥行きの深さを存分に楽しんでみると良いでしょう。