なぜリバウンドしてしまうかを考える
ダイエットを志す人にとって大きな障害となるのがリバウンドです。
テレビの企画で太り気味体型の芸能人がダイエットに挑戦するというコンテンツをよく見かけますが、一時は目標体重の達成に成功しても、半年もすると元の体型以上に太ってしまっているようなことも珍しくありません。
テレビのバラエティの場合、いかに短期間で痩せるかというところを見世物にしているため、継続的な体質強化というところまでは考えられていないのです。
ですのでまず芸能人が実践しているダイエット方法を試す前に、実際にそれを実践した人がその後どうなったかを見ておいた方がよいと言えます。
そもそもとしてなぜリバウンドをしてしまうかということから考えていくと、大きな理由として挙げられるのが以下の3つです。
1.急激な体重減少による「ホメオスタシス」の働き
2.食事量を極端に減らすことによる基礎代謝の低下
3.レプチン減少による満腹感の喪失
「いつもリバウンドしてしまう」という話を聞くと、外野から「意思が弱い」と本人の精神論へと持っていきがちになりますが、実はそればかりが原因ではありません。
むしろ世間がダイエットに過剰なストレスとプレッシャーをかけることにより、誤った方法で体重を落としてしまうことによる弊害が原因と言えます。
科学的見地によるリバウンド
順番に説明していくと、まず「ホメオスタシス」というのは別名「恒常性」と言われる体の働きのことです。
例えば私達は暑い場所に行けば汗をかきますし、ものを食べて一時的に血圧が上昇しても時間がたつと元通りに戻ります。
こうした体を一定の状態を保つために、異常な状態から回復しようとすることがホメオスタシスです。
ダイエットで食事量を減少させると、それまでよりも少ない栄養量で生命を維持しなくてはならなくなるので、体が省エネモードに入ります。
そのため食事量を落としているにもかかわらず体重が落ちない、といった代謝が低い状態が生まれてしまうのです。
次の「基礎代謝の低下」もこれに関係しており、誤った食事制限をすることにより体内を構成するタンパク質などが不足をしていくので、筋肉量や骨量が減っていきます。
そのため基礎代謝量が大きく減ることになり、少ない食物で我慢をしてもなかなか燃焼が起こらず体重の減少には結びつかなくなります。
最後の「レプチン減少」ですが、こちらは人の満腹感を司るホルモンです。
レプチンが分泌されることでそれ以上食べたいという気持ちが抑制されるのですが、この分泌が抑えられることにより過剰にものを食べたくなってしまいます。
急にダイエットをやめるとレプチンの分泌が滞ってしまうので、ついつい過食をしてしまいがちになります。